「自分が何を感じているのかわからない」は、心の中で何も起きていないという意味ではありません。感情は入りまじっていたり、いつもの反応の陰に隠れていたり、体や行動を通してしか見えなかったりします。
すでに手元にあるものから始める
感情の名前を無理に出そうとせず、睡眠、エネルギー、呼吸、食欲、近づきたいか離れたいかという衝動を書いてみましょう。これは診断ではなく、あとから言葉が浮かんでくるための地図になります。
文脈も大切です。会議の前の緊張には、こわさ、興味、恥ずかしさ、わくわくが含まれているかもしれません。「何を感じているか」だけでなく、「この反応は自分を何に近づけ、何から遠ざけようとしているか」と聞いてみましょう。
ステップごとの進め方
近いと思う言葉を3つ挙げ、わからない部分も残しておきます。数時間たってから見返して、言葉が変わったかを確かめましょう。
一度にすべてに答える必要はありません。質問をひとつ選び、具体的に書き、行動、ひと休み、またはあとで戻ってくるという正直な決断で締めくくりましょう。
日記の質問
アンケートではなく、選択肢として使ってください。形だけ埋めたリストより、意味のある答えがひとつあるほうが役に立ちます。
- 体とエネルギーには、いま何が起きているか
- 近づきたいか、固まりたいか、隠れたいか、動きたいか
- どのできごとのあとで状態が変わったか
- 矛盾して見えても、同時にありそうな感情はどれか
すぐに使えるテンプレート
この型を新しい記録にコピーして、まだ答えが出ない項目は空欄のままにしておきましょう。
- まだ何を感じているのかわからない
- 体と行動で気づくこと
- 考えられる感情の言葉
- ひと息ついたあとに変わったこと
無理をしないための目安
ぴったりの言葉を見つけるためだけに、つらいできごとを思い返そうとしなくてかまいません。気持ちが感じられない状態が続き、日常生活に大きく影響しているなら、専門家に相談することも考えてみてください。
日記は自分を観察するための道具で、医療、心の治療、緊急時の支援の代わりにはなりません。
いちばん大切なこと
気持ちを見分けることは観察のスキルで、感情の正しさを試すテストではありません。おおよその言葉も、正直な「まだわからない」も、どちらも役に立ちます。
科学的な出典
リンク先は元の論文や科学的なレビューです。研究の結果とその限界を自分で確かめられます
- Putting feelings into words: affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli Lieberman MD, Eisenberger NI, Crockett MJ, et al. Psychological Science, 2007.
- Efficacy of journaling in the management of mental illness: a systematic review and meta-analysis Sohal M, Singh P, Dhillon BS, Gill HS. Family Medicine and Community Health, 2022.